終わらない夏をおさめた箱を焼き、自由になった冬の寒さよ
朝がくる街の路上でたちすくむ「今日」という日を何も知らない
体温をなくした僕はふりそそぐ月のひかりのつめたさを知る
水底へ沈んでいったきみのこと思い出している雨の夜更け
なんとなくインクのきれたボールペン転がしている雨が止まない
大百合のやうに漂ふオフェリアの見上げた水面みたいな空だ
雨が止みタバコを点けた。夏至だから、夜が来ないね。明日は無いね。
雑踏にあふれるほどの人がいて君の気持ちを誰も知らない
一日が0へ還った夜のはて ねむりはいっとき死ぬことかもね
目の奥が痛いくらいの青空に浮かぶ三日月 きみのつめあと
玉の緒のふとさは同じなれど彼(か)の地では容易く絶たるる日々よ
冬の日のひかりをためた猫の背ではぜる火花よ冬のにおいよ
ゆふぐれの工場跡にたたずみて地底にねむる毒を思ふよ
ブラジルをお日様が通過するころに夜がわたしと月を齧った
朝がくる街の路上でたちすくむ「今日」という日を何も知らない
体温をなくした僕はふりそそぐ月のひかりのつめたさを知る
水底へ沈んでいったきみのこと思い出している雨の夜更け
なんとなくインクのきれたボールペン転がしている雨が止まない
大百合のやうに漂ふオフェリアの見上げた水面みたいな空だ
雨が止みタバコを点けた。夏至だから、夜が来ないね。明日は無いね。
雑踏にあふれるほどの人がいて君の気持ちを誰も知らない
一日が0へ還った夜のはて ねむりはいっとき死ぬことかもね
目の奥が痛いくらいの青空に浮かぶ三日月 きみのつめあと
玉の緒のふとさは同じなれど彼(か)の地では容易く絶たるる日々よ
冬の日のひかりをためた猫の背ではぜる火花よ冬のにおいよ
ゆふぐれの工場跡にたたずみて地底にねむる毒を思ふよ
ブラジルをお日様が通過するころに夜がわたしと月を齧った