「火焔」メモ(あとがき)



2025-05-17 12:34:10

今回の小説を書いた経緯

マストドンのフォロワーさんが「母の愛人に惹かれていた青年が、母の死後その愛人と交接する」という設定の話を誰か書いてくれ〜、と投稿していて、
そういう投稿を見かけて気になったら空気を読まずに参加するタイプなので書いてみようと思った。
それで「母の愛人」ということは父もいる・関わってくるんじゃないかなーと思ってあれこれ考えた結果、情欲+因果みたいなドロドロした関係の話にしてみた。

各キャラクターについて

ザリャ

なんというか家族単位で魅了する、というキャラなので、魔性というか魔物っぽい要素があると良いのかなと思い「日本ではあんまり馴染みがない地域の人+スピリチュアル系+浮世離れした美形」という設定に。
ホントはチベットとかモンゴルとからへんの人にしようとしていたけど、名前を決めるとき、ChatGPTになぜか中央アジアと間違えて「東欧の名前を考えたいのですが」などと相談してしまい、スラブ系になった。
でもピンタレストとかで見かける、中性的な男性モデルってロシアとかウクライナの人であることが多い気がするからちょうど良かったかもしれない。

冬雅

「母の愛人」に惹かれる青年ということで、まず愛人というか母自体に愛着を持っているんじゃないかなぁと思い、マザコン・依存的で色々執着するようなタイプにした。
名前は「飛んで火に入る夏の虫」の由来である灯蛾(ヒトリガ)のダブルミーニングだったりする。
父親由来の「呪い」の影響を強く受けた(元凶の父が死んだあとも呪いが進行)のは生来の依存体質も関係している。
外見と性格は母親に似ていて、声だけ父親に似ている。

冬雅の母

一応「リカコ」というヒトリガから考えた名前があるんだけど、作中には結局出さずじまいだった。
最初は「リカコの実家がお金持ちで本人も財産を持っており、死後遺産相続をめぐって例の赤い手帳にある「秘密」に不安を感じた冬雅がザリャの店にくる」という流れだった。
でも冬雅をひどいマザコンにしたので必要なくなった。
あと最初は手帳の他に、ザリャとのハメ撮り動画もスマホに保存してて……という流れだったんだけど、別にそれはなくてもいいか〜と思ったのでナシにした。
夫と不仲というわけではないけど、冬雅と同じく依存体質・執着するタイプ(ベタベタした関係を望む人)なので、色々不満に思っている、という設定。
なんていうかエッチな小説やマンガなんかに登場する「欲求不満の人妻」的な?

冬雅の父

こちらも一応「ヒトシ」というヒトリガから取った名前があるけど出さずじまい。
大手商社かなんかのエリートで海外出張も頻繁にあり、普段はマジメだけど旅先では色んな意味で好き放題やっていて……という設定。
自分にベタ惚れしていると思っていた妻に実は愛人がいて、さらにそれはかつて自分が踏みにじった相手であり、くだらない迷信だと思った「呪い」が現実に進行しつつある(妻がナゾの熱病で死んだ)ことを悟って錯乱→呪いを解くカギを知りたい+過去の執着心からザリャを監視→自分の息子までもザリャに奪われていくのを目の当たりにしてパニックに陥り、監視に使っていた機器を破壊→火花から引火して焼死 という裏の展開を一応考えた。

ストーリーについて


ザリャと冬雅の母・冬雅の関係に関してはわりとスムーズに繋がりが考えられたんだけど、父との関係に関しては結構悩んでChatGPTに色々相談していたんだけど、ふとギリシャ悲劇のオイディプス王を思い出して、ストーリーに「父親殺し」を組み込んでみることにした(母とは結ばれてないけど、母の愛人と結ばれるわけなので)。
その後も色々設定を練っていて、以前読んだ本にあった「東南アジアなどで、先進国のビジネスマンなどが子供を売買している」という問題を思い出したので、こういう因果なストーリー展開になった。「火の目の子の呪い」もその過程で思いついた。
最初はザリャ以外の登場人物はみんな熱病だったり焼死だったりで死ぬ予定だった。
小説をもっと短くまとめるつもりだったらそうなったと思う。
でも登場人物がみんな執念深くて気持ち悪いし、幼児虐待とかそういう胸糞悪い要素もあるので、最後くらいは明るいというか希望があるカンジにしようかな……と思い直して前向きなラストシーンにした。
どっちが良いのかはよくわからないけど。
- | 前へ